学歴に関する議論をする中で、以下のような主張を耳にすることがある。「地方の国公立大学には、東大に合格出来るが地元から出られずに入学する学生が存在する」前々から気になっていたが、この主張は本当に正しいのだろうか?理解出来ない訳ではないが、それほど学力が優れているのならば奨学金を借りてでも東大等に進学すべきではないか。せっかくなので簡単に検証してみようと思う。
各大学の合格者の得点状況
一番早いのは、毎年5~6月あたりに公表される各大学の入試結果をみることである。大学毎に内容に差はあるが、合格者の得点状況や共通テストの受験者最高点、最低点など詳細に載せている大学も存在する。今回は、地方国公立大学の代表と広島大学と金沢大学を例に取ってみる。
何故この2校を選択したかというと、どちらの大学も近くに難関大が存在しないため東大や京大に合格出来る層は、一人暮らしをするか妥協して広島大学・金沢大学を選ぶしかない。よって、広島県や石川県に住む成績最上位者の動向を掴むことが出来ると考えた。
広島大学(2024)入試結果
学部 | 合格者の共テ最高得点率 |
文学部 | 84% |
経済学部 | 82% |
法学部 | 89% |
理学部 | 75~83% |
工学部 | 77~81% |
生物生産学部 | 83% |
教育学部 | 95% |
金沢大学(2024)入試結果
学部 | 合格者の共テ最高得点率 |
文系一括 | 90% |
理系一括 | 80~93% |
人間社会 | 88% |
理工 | 80~93% |
結論としては、共通テスト90%を超える層は確かに存在するが、学部学科によっては最高得点率が80%を切る場合もあり超少数派であることは間違いない。(学部に1人存在するかどうか) つまり外れ値に近い存在なのでこれをもって地方国公立大学を評価するのは誤りである。
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